デアザフラビンとは

「老化克服」に挑む医療サプリ!5-デアザフラビン(TND1128)とは?

5-デアザフラビンはミトコンドリアと長寿遺伝子を活性化する働きを持つ物質です。現在、若返り成分として多くの化粧品やサプリメントなどに使用されているNMNと同様の働きを持ちますが、効果の高さは数倍から数十倍。新たな若返り成分として注目を集めています。5-デアザフラビンにはいくつもの種類がありますが、特に高い効果が期待できる物質を選別したものはTND1128と命名され、美容や医療への応用が期待されています。
5-デアザフラビン(TND1128)の特徴と効果の実例、今後の課題について詳しく見てみましょう。

5-デアザフラビンってどんな物質?

5-デアザフラビンは、老化克服を叶える医療サプリとして注目されている物質です。5-デアザフラビンには主に2つの働きがあり、すでに美容医療の分野で広く使用されているNMNも同様の働きを持ちます。
まず、5-デアザフラビンとはどのような物質なのか詳しく見てみましょう。

若返り成分~5-デアザフラビンとNMNの働きとは

5-デアザフラビンとNMNは共に若返り成分として注目を集めている物質です。すでにNMNは化粧品やサプリメントなどに広く使用されています。近年、NMNと同様の効果を持ち、さらにNMNよりも数倍から数十倍高い効果が期待できる物質として5-デアザフラビンが脚光を集めています。5-デアザフラビンとNMNにはどのような働きがあるのでしょうか?

ミトコンドリアの活性化

ミトコンドリア

NMNと5-デアザフラビンの主な働きの1つにミトコンドリアの活性化が挙げられます。ミトコンドリアは、私たちの細胞1つ1つに含まれる細胞内小器官のことです。非常に小さな器官ですが、私たちが生きていくために必要なエネルギーの90%以上はミトコンドリアで作られています。また、ミトコンドリアには古くなった細胞が自然に消失していく「アポトーシス」という現象を制御する働きもあります。
ミトコンドリアの機能は年齢を重ねると徐々に低下。結果として、加齢と共にエネルギーは不足しがちになります。また、アポトーシスが正常に導かれなくなることで古くなった細胞が追い出されず、肌の状態を悪化させたりがんなどの病気を引き起こしたりしやすくなるのです。
NMNと5-デアザフラビンはミトコンドリアを活性化することで、エネルギー不足や新陳代謝の停滞といった老化現象を抑えることができます。

長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」の活性化

遺伝子

NMNと5-デアザフラビンはともに長寿遺伝子とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」を活性化する働きがあります。サーチュイン遺伝子は、老化を抑制して寿命を延ばす働きがあるとして2000年に研究発表された遺伝子です。
サーチュイン遺伝子には、認知機能の低下、視力や聴力の低下、糖尿病、がん、肥満、不妊、運動機能低下など加齢によって引き起こされる症状や病気を改善する効果が期待できるとされています。
サーチュイン遺伝子はカロリー制限をすることで活性化することが分かっていますが、5-デアザフラビンとNMNにも活性化する働きがあるとされ注目されています。

5-デアザフラビンはNMNの上位互換?

共にミトコンドリアとサーチュイン遺伝子を活性化する働きを持つ5-デアザフラビンとNMN。近年の研究では、5-デアザフラビンはNMNに比べると、ミトコンドリアを活性化する働きは数十倍以上、サーチュイン遺伝子を活性化する働きは数倍以上であることが分かっています。そのため、5-デアザフラビンはNMNの上位互換であると思われがちです。しかし、5-デアザフラビンがNMNよりも優れている点は効果の高さだけではありません。
5-デアザフラビンは化学的な構造が非常に安定している成分であるため、NMNに比べて加工しやすく、常温での保管が可能などさまざまなメリットがあります。さらに、5-デアザフラビンはNMNよりも即効性が高く、より早く効果を実感しやすい点もメリットの一つと言えます。
5-デアザフラビンは単にNMNの上位互換ではなく、加工や流通のしやすさといって点でも大きなメリットがある物質なのです。

5-デアザフラビンの効果実例

5-デアザフラビンはビタミンB2の一部の構造を変えて作り出される物質です。5-デアザフラビンにはいくつもの種類がありますが、特に高い若返り効果が期待できるものを選別して「TND1128」と名付けられています。
TND1128はすでに多くの研究でその効果が検証されており、美容や医療の場で活躍できる可能性が示唆されています。現在報告されているTND1128の効果について詳しく見てみましょう。

認知症を予防・改善できる?

認知症

2021年には、TND1128が脳の神経細胞を保護する働きを持つ可能性が示唆された研究結果が報告されました。
この研究では、マウスの海馬(記憶を担う脳の一部)にNMNを投与した群、TND1128を投与した群、何も投与しない群に分けて神経細胞の変化が観察されました。その結果、何も投与しない群とNMNを投与した群は神経細胞に変化はなかったものの、TND1128を投与した群は神経細胞の一部が延長しました。このような変化は神経細胞の保護効果を示す変化であるとされ大きな注目を集めました。
この結果から、TND1128には認知症を予防・改善する効果が期待できるのではないかと考えられています。

生活習慣病の改善

脂質異常症

TND1128はさまざまな病気の患者に投与され、その効果が検証されています。
現在のところ、糖尿病、腎不全、狭心症、肝機能障害、脂質異常症などの生活習慣病を改善したとの報告がされています。また、治療が困難であった末期がん患者の全身状態改善や、新型コロナウイルス感染症の後遺症改善などの効果が得られたとの報告もあり、多くの分野で効果が得られているのが現状です。
まだ限られた人数のみの報告に留まっていますが、今後さらに検証を重ねて生活習慣病をはじめとした病気の治療に応用できることが期待されています。

5-デアザフラビンの限界と今後の課題とは?

5-デアザフラビンは今回ご紹介したように高い若返り効果が期待できる成分です。多くの研究が行われ、美容や病気の治療に役立つ可能性も示唆されています。
しかし、5-デアザフラビンには1つの大きな欠点があります。それは、「水に溶けにくい」という性質です。5-デアザフラビンは水に溶けにくいため、サプリメントなどで服用する場合に効率よく人体に吸収されないという欠点があります。一方、NMNは水に溶けやすく、点滴などで投与することもできる物質です。効果的な吸収という点ではNMNの方が優れています。
現在、5-デアザフラビンの効率的な吸収を高める技術の開発が進められており、5-デアザフラビンの普及への課題といえるでしょう。

まとめ

若々しい女性

5-デアザフラビンは、従来の若返り成分であるNMNよりも数倍から数十倍高くミトコンドリアとサーチュイン遺伝子を活性化する働きを持ちます。新たな老化克服成分として注目を集め、認知症や生活習慣病の予防・改善、美容医療への応用が期待されています。
5-デアザフラビンの中でも特に高い効果が期待できるものを選別して作られた成分はTND1128と名付けられ、さまざまな研究が行われています。水に溶けにくく、効率的な吸収が難しいというデメリットはありますが、現在吸収率を高める技術も開発されています。

5-デアザフラビンは老化による現象を予防したり治したりできる可能性がある医療サプリとなりうる物質です。効果や投与方法などに関してはさらなる研究が必要ではありますが、美容や医療への応用を期待しましょう。

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