デアザフラビンとは

5-デアザフラビンは腎臓の病気を改善する?その効果を検証

新たな老化克服の医療サプリメントとして注目されている5-デアザフラビン。5-デアザフラビンはまだ研究段階にある物質ですが、現在でもさまざまな症状や病気の患者に投与されその効果が検証されています。腎臓の病気もその一つ。5-デアザフラビンの投与によって慢性腎不全や腎臓の機能低下を引き起こす病気の悪化を押されられたことが報告されています。
5-デアザフラビンと腎臓の関係について、具体的な実例を交えて詳しく見てみましょう。

5-デアザフラビンが腎臓に及ぼす効果とは?

5-デアザフラビンは、近年「老化克服に挑む医療サプリメント」として注目されている物質です。従来の若返り成分であるNMN(ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド)と同様の働きがありますが、効果の高さは数倍~数十倍とされています。
現在、5-デアザフラビンは美容や医療に応用されるようになりつつあります。その中で、5-デアザフラビンが腎臓に良い効果をもたらす可能性を示唆する報告がされました。
5-デアザフラビンが腎臓に及ぼす効果について詳しく見てみましょう。

5-デアザフラビンが慢性腎不全の治療に役立った!

慢性腎不全の治療

慢性腎不全の患者に5-デアザフラビンを投与したところ、一か月で腎機能が改善したとの報告が挙げられています。
この症例患者は85歳の女性であり、80歳のときに心筋梗塞を発症しました。一命を取り留め、3か月入院後に無事退院。心筋梗塞は完治しましたが、入院時の検査で慢性腎不全を指摘されました。その後、食事療法などを行いますが腎機能は改善せず、透析治療の導入が検討されていた患者です。
腎臓は体に溜まった老廃物や余分な水分を排出する臓器です。そのため、機能が低下すると老廃物や水分が溜まりやすくなり、全身にさまざまな症状を引き起こします。腎機能が著しく低下した場合は、血液中から人工的に老廃物と水分を取り除く透析治療が必要です。透析治療が導入されると、週に3回ほど数時間に渡る治療を受ける必要があるためQOLが著しく低下します。

5-デアザフラビンの投与で透析治療を回避

この患者に5-デアザフラビンが100㎎含まれるカプセルを一日一回投与したところ、一か月後には腎機能の改善が見られ、透析治療が回避できたことが報告されました。5-デアザフラビンの投与が慢性腎不全の治療に奏功した事例として注目を集めています。
また、同様の効果はこの女性患者以外にも多く報告されており、今後さらに臨床研究を重ね、効果やメカニズムの解明が期待されています。

5-デアザフラビンは高血圧や糖尿病を改善して腎臓を守る?

腎臓を守る

5-デアザフラビンが腎臓の機能低下を引き起こす高血圧や糖尿病を改善したとする報告も挙げられています。
この症例は69歳男性。28歳のときに人間ドックでⅠ型糖尿病と診断され、食事療法、運動療法、薬物療法を行っていましたが血糖値のコントロールがうまくできていなかった患者です。
腎臓は非常に細い血管が集まってできた臓器であり、高血圧や糖尿病など血管にダメージが生じる病気になると腎臓の機能低下を引き起こすケースがあります。特にこの患者は、長期間に渡って血糖値がコントロールできていない状態が続き、さらに高血圧も併発していたため腎不全のリスクが非常に高かったと言えます。

5-デアザフラビンの投与で血圧と血糖値が安定

この患者に5-デアザフラビンが100㎎含まれるカプセルを一日一回投与したところ、一週間で血圧は正常化。内服していた降圧薬(血圧を下げる薬)が不要となったとされています。さらに、血糖値も低下してコントロールが良好となったことも明らかにされました。
その後、5-デアザフラビンの内服を中止したところ、血糖値は軽度に上昇したものの血圧は正常化した状態をキープできたとのことです。

5-デアザフラビンが腎臓を守ったメカニズムとは?

5-デアザフラビンの投与により、腎臓の機能が改善したり、腎臓にダメージを与える病気を改善したりする結果が多数報告されています。5-デアザフラビンが腎臓を守る働きを持つ可能性は濃厚と考えてよいでしょう。
どのようにして5-デアザフラビンが腎臓を守ったのか検証してみましょう。

5-デアザフラビンによるミトコンドリアの活性化

ミトコンドリア

5-デアザフラビンにはミトコンドリアを活性化する働きがあります。ミトコンドリアは私たちの細胞に含まれる小器官であり、1つの細胞に100~2000個存在するとされています。
ミトコンドリアは私たちが生きていくために必要なエネルギーの大部分を作る小器官です。その他にも、ミトコンドリアには古くなったり、異常が生じたりした細胞を自然に消失される「アポトーシス」という現象を制御する働きがあります。
ミトコンドリアは加齢とともに機能が低下していくことが分かっています。ミトコンドリアの機能低下はエネルギー不足や新陳代謝の停滞などを招き、さまざまな老化現象を引き起こします。腎臓の機能低下、糖尿病や高血圧の悪化はミトコンドリアの機能低下が要因の一つです。そのため、5-デアザフラビンがミトコンドリアを活性化したことで腎臓が守られたと考えられました。

5-デアザフラビンによるサーチュイン遺伝子の活性化

遺伝子

5-デアザフラビンには長寿遺伝子という異名を持つサーチュイン遺伝子を活性化する働きもあります。サーチュイン遺伝子は2000年に研究発表され、老化を抑制し、寿命を延ばす働きがあると報告された遺伝子です。サーチュイン遺伝子にはいくつかのタイプがありますが、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌を促すもの、糖の代謝を正常化するもの、神経細胞を保護するものなど多くの働きを持っています。
今回の2つの症例では5-デアザフラビンを投与したことでサーチュイン遺伝子が活性化されたことも腎臓の機能の回復、糖尿病や高血圧などの病気の改善につながったと考えられました。

5-デアザフラビンが秘めるその他の効果とは?

5-デアザフラビンは腎臓の機能を守る働きがあることが示唆されています。また、5-デアザフラビンによるミトコンドリアとサーチュイン遺伝子の活性化は老化に伴う多くの症状を予防・改善する効果につながると考えられています。
具体的には、認知機能の低下、視力や聴力の低下、運動機能の低下を改善し、がん、不妊、自己免疫性疾患、脂肪肝、狭心症などの病気の治療に役立つ可能性が考えられているのです。また、美容面でも5-デアザフラビンを投与したところ、肌が瑞々しく若返ったとの報告もたくさん挙げられています。
5-デアザフラビンはまだ研究段階にある物質ではありますが、重篤な副作用は現在のところ報告されていません。一方で、これまでの治療法では予防や改善が難しかった症状や病気の治療に役立つ可能性を示唆する報告が挙げられており、美容や医療へのさらなる応用が期待されています。

まとめ

医師

5-デアザフラビンはミトコンドリアとサーチュイン遺伝子を活性化し、老化に伴うさまざまな症状や病気の予防・改善効果を持つ物質として注目を集めています。腎臓の機能低下を改善したり、腎臓にダメージを与える病気の悪化を防いだりする効果があるとの報告もあります。
腎臓の機能低下は最終的に透析治療が必要になるなどQOLの著しい低下を招く症状の一つです。今回ご紹介した2つの症例では5-デアザフラビンを投与したことで腎臓の機能改善や機能悪化の予防ができた可能性が示唆されました。まだ研究段階の物質ですが、今後さらに研究が進んで多くの症状や病気の治療に使用される日を期待しましょう。

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